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園だより9月号「園長先生のおはなし」

2025-09-01
覚えている 覚えてくれている
門前の小僧、習わぬ経を読む」という言葉があります。お寺の門前(近所)に住む子どもは、いつもお経の声が聞こえてくるから自然とお経を覚えてしまうということで、転じて、繰り返し見聞きする環境にいると自然と身に着く・覚えていくという例えです。
ただ、「自然に身に着く」は子どもの時の方が得意なようです。保護者の皆様の中にも、子どもの頃に歌った童謡を未だに覚えているという方も多いでしょう。例えば童謡「チューリップ」を空で歌うことが出来る方も多いと思いますが、考えてみれば社会に出てから「チューリップ」を歌う機会がどれほどあるでしょうか。これも子どもの頃に繰り返し聴いたり歌ったりして自然と覚えているのですね。
子どもの頃の記憶は忘れてしまうものも多いと思いますが、聴いた曲、歌った曲、あるいは経験した事や見た事は、意外と大人になっても心のどこかに残っていたりもします。子どもの感性には柔軟性がありますね。子どもってやっぱり凄い。
 
 でも、大人だって負けていませんよね。恐らく皆様も、自身のお子様が生まれた時や成長を感じた瞬間のことを、印象深くありありと覚えている方も多いでしょう。当の本人は生まれた時の事なんて大きくなったら覚えていません。でも、それを覚えてくれている大人がいる。だから、大人だって凄い、ですよね。
心の中のどこかにきっと
先日、保育園で8月のお誕生日会がありました。今年度から平日にお誕生日会を行っていますので、以前より多くの園児たちが遊戯室に集まります。その時に園児たちみんなで「お誕生日の歌」を歌いました。とても大きな声で、一生懸命歌っていました。
 
実は、私は思いがけず感動していました。たくさんの園児たちが集まって、一生懸命歌を歌っているその姿に。この景色を「ずっと覚えていたいな」と思いました。
 
同時に、園児たちにも「ずっと覚えていて欲しいな」と思いました。でもそれは難しいかもしれません。いずれ園児たちは保育園の時のことの多くを忘れていってしまうことでしょう。それが成長とも言えます。「ずっと覚えていて欲しい」は私のエゴかもしれません。
それでも私は願わずにはいられません。たくさんのお友達と一緒に一生懸命歌った歌のこと、そしてその日々のことが、少しでも園児たちの心の中のどこかに残っていてくれたらいいな、と。
園児たちに関わることへの大きな喜びと、少しばかりの苦悩なのでした。

令和7年8月28日 園長

※天白保育園では毎月保護者さま向けに、園の様子や行事などをお伝えする「園だより」を出しています。
今回のように園長による保育や子どもたちに関するお話、お寺の話や地域の昔話 を掲載しています。
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