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園だより8月号「園長先生のおはなし」

2025-07-31
お地蔵さまの力とは
女人(にょにん)泰産(たいさん)  ②(しん)(こん)具足(ぐそく)  ③衆病悉除(しゅびょうしつじょ)  ④寿命(じゅみょう)長遠(ちょうえん)  ⑤聡明(そうめい)智慧(ちえ)
 
財宝盈溢(ざいほうよういつ)  ⑦衆人(しゅにん)愛敬(あいきょう)  ⑧(こく)(べい)成就(じょうじゅ)  ⑨神明(しんめい)加護(かご)  ⑩(しょう)大菩提(だいぼだい)
 
元来、お地蔵さまには十種の福があると言われますが、どれも「子どもに願う親の気持ち」と重なることでしょう。ですから昔からお地蔵さまは特に子どもの味方として親しまれてきました。
地蔵寺にもお地蔵さまが奉られていますが、このお地蔵さまには様々な名前がついており(毛替地蔵、安産地蔵など)、その中の一つに「雨ふり地蔵」というものがあります。
時は1570年。その年はなかなか雨が降らず、当時の人々は困っていたそうです。雨が降らないとお米や野菜、作物が育たないからですね。困ってしまった人々は、あるとき地蔵寺のお地蔵さまにお願いをします。「どうか雨を降らしてください」と。そうするとちゃんと雨が降るようになり、秋には実りも多く豊作になったと言います。
以来、地蔵寺のお地蔵さまは「雨ふり地蔵」と呼ばれ、人々に大変親しまれてきたのです。

「雨降り地蔵」は今でも
実はこの話はここで終わりではありません。この1570年以来、毎年夏の時期になると人々がちょうちんを持って地蔵寺に集まり「今年も雨が降って豊作になりますように」と雨ふり地蔵にお願いし、そのちょうちんを奉納していったそうです。その風習は現在、毎年8月24日に行われる「ちょうちん祭」として伝わっています。
現在は地蔵寺の境内にたくさんの夜店が出て賑わうお祭りとなっていますが、今でも地元の人々は竹竿の先に大きなちょうちんをぶら下げて町内を練り歩き、お地蔵さまに奉納しに来てくれています。実はこのお祭りは、1570年から450年以上続く地元の大切な風習なのです。
夏本番!気を付けてお出かけください
さて8月、夏本番です。お盆の時期にもなるのでお子さまを連れて帰省し、お寺参りやお墓参り、あるいは地元の夏祭りに一緒に行くという方も多いでしょう。それぞれに実は深い歴史が隠されているかもしれません。お子さまと一緒にその歴史を探ってみるというのも楽しいかもしれませんね。どうぞ熱中症には気を付けて。子どもたちからお土産話を聞けることを楽しみにしています。

令和7年7月29日 園長

天白保育園では毎月保護者さま向けに「園だより」を出しています。
今回の様に園長によるお寺や地域の昔話、保育や子どもたちに関するお話などを掲載しています。



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